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INTERVIEW

クリニックF/東京都市大学工学部医用工学科

レーザー医療

藤本 幸弘

テーマは医療と工学の融合

レーザーを始めとした機器による治療を専門とするクリニックF院長の藤本幸弘先生。レーザー医療で「肌を若返らせる」治療を行う傍ら、医学博士、工学博士、薬学博士そしてMBAの資格を活かし、レーザー医療の可能性追求に挑戦しています。

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レーザー専門医以外の顔

-クリニックFの特徴を教えてください。

現在欧米では「Energy-Based Medical Devices(EBMD)」と呼ばれる、医療用に開発されたエネルギーを照射する機器が次々と研究・開発され、照射方法の検討や議論が行われています。そして、その効果にも医療的な根拠付けがなされています。光やレーザー、ラジオ波、プラズマなど適応・応用されるエネルギーも多岐に渡ります。

クリニックFは、このEBMD専門クリニックということになります。しかしEBMDと一言で言っても、さまざまな科で多様な用途で使用されます。当院では、肌の若返りに特化したものに焦点を絞ったものを揃えています。毎年春に欧米の学会で、エビデンスある最先端の機器がデビューしますので、その中から自分の納得いくものを探し、買い付けてくるのです。治療ではこれらの機器を照射することで肌を刺激し、コラーゲンやエラスチンなどを増やし、患者さん自身の遺伝子再発現に導きます。つまり、ここで得られるものは「肌を数年若返らせる」「若かった時の肌質に戻す」ための最先端技術となります。

そのため、レーザークリニックから連想される「シミ、ほくろ、イボ取り」「脱毛」「アートメイク除去」といったものは、ほとんど扱っていません。強いて言えば「肌を若返らせる」過程で、数年前にはなかったシミを徐々に徐々に剥がし、昔の肌に戻していく――というような施術は行いますが。

カウンセリングではこうしたクリニックの概念から説明していますが、たいていの患者さんはすでに、ブログやFBなどでクリニックの理念を御存じですので、よく理解してくださっています。

-藤本先生は医師として医学の博士号を持っている以外に、工学と薬学でも博士号、そしてMBAもお持ちです。その理由は?

まず、とにかく研究が好きで、学ぶならとことん学び、その先に得られる資格や免状が欲しい、そしてその資格を実生活で生かしたいということがあります。知的好奇心を満たしたいという自分自身の欲求ですね。世界には学問が星の数ほどありますし、学ぶ場や教育現場にもあらゆる形があります。けれども寿命を考えると、全てを学んだり体験したりするには時間が足りない。そこで自分の得意なことに焦点を絞り、仕事や社会に役立つ分野を追求した結果、現段階ではこの4つだった、ということだと思います。

高校の後は大学に行きたかったし、大学の後は大学院に進みたかった。理系の学問や数式を解くのが得意でしたし、学ぶ喜びもありましたから、そこは極めたかった。その上でそのすべてを生かした仕事がしたかったのです。10年かけて医学博士、工学博士、薬学博士、そしてMBAを取得してきました。数学の博士号まではまだ手が届きませんが、こちらは50代か60代で挑戦してみたいことのひとつですね。

-現在は、どのような働き方をされているのですか?

常にベストな仕事をするために、頭脳を常にフレッシュな状態にして集中力と判断力、技術力を保つことを意識しています。以前は医師としての臨床が1年365日のほぼすべてを占めていた時期もあったのですが、開業が落ち着いた後は、それを実現するために意識的に働く現場を3つに分けてシャッフルしています。

1つは医師としての臨床現場、2つ目は大学院での研究と学会発表、そして3つ目が、未来の医療に向けて医療構想を練ったり企業のコンサルティングを行ったりする場です。3つを行ったり来たりすることで、インプットとアウトプットのバランスが取れるようになり、それぞれの仕事の活性や完成度も高まりました。疲れづらくもなりましたね。

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PROFILE

藤本 幸弘

クリニックF/東京都市大学工学部医用工学科

藤本 幸弘

クリニックF院長 / 東京都市大学工学部医用工学科 客員教授
神奈川県出身。慶應義塾大学経済学部に入学するも、医師を志し信州大学医学部に入学。卒業後は東京大学麻酔科学教室に入局。同大学医学部附属病院にてレーザー機器による治療に出会い、レーザー機器、そして光学治療器を扱う医師になることを目指す。米国レーザー医学会Fellow、東京大学大学院医学系研究科後期博士課程修了、東海大学大学院総合理工学研究科後期博士課程修了、慶應義塾大学大学院薬学系研究科後期博士課程修了、2007年にクリニックFを開業、2018年より東京都市大学工学部客員教授を兼任し、現在に至る。

 

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