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新設の診療科で、ひたちなかの救急医療を改善する

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医師11年目の柴崎俊一先生は2017年、ひたちなか総合病院(茨城県ひたちなか市)に1人で飛び込み、救急・総合内科を立ち上げ、救急医療の改善に尽力しています。なぜ救急・総合内科を立ち上げようと考えたのでしょうか――? どのようにして新たな診療科を病院内で浸透させているのかと併せて、お話を伺いました。

◆1人飛び込み、救急・総合内科を立ち上げる

ー現在、どのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

2017年、茨城県ひたちなか市にあるひたちなか総合病院に赴任し、救急・総合内科を立ち上げました。現在はもう1人の医師とともに、院内での救急総合内科の地位向上と、対外的な地域連携を進めています。

ーなぜ、ひたちなか総合病院で救急・総合内科を立ち上げることになったのですか?

もともと私は筑波大学医学部に通っていた頃、県内の田舎の方の病院で実習を受ける機会がありました。その時、正確に診断されなかったためにこじれている症例を数多く見てきたんです。それで漠然と「ある程度のスキルを身につけたら、一定期間、医療過疎地に貢献したい」と考えていたのです。

ただ1人で飛び込んでも、できることには限界があります。そのため、仲間が集めやすい素地がある病院に行きたいと思っていました。そんな折、縁あって赴任したのがひたちなか総合病院でした。

同院は当時、救急患者が搬送されてくると「この疾患はうちの診療科ではないです」と、患者さんを診療科間でたらい回しにしていて、救急医療が機能していませんでした。

一方で少数ではありましたが、毎年、初期研修医や後期研修医を受け入れている教育施設でもありました。教育に介入できれば、比較的仲間集めもしやすいですし、救急医療の課題を解決し、病院全体を成長させられると感じました。また、私は医局に所属していませんでしたが、そのような人間が突然入っていっても、排除されることなく根が張れる雰囲気もありました。それでひたちなか病院に赴任し、同院の救急を改善するべく、救急・総合内科を立ち上げました。

ーいきなり1人で飛び込んで、新たな診療科を立ち上げたということは、それなりに苦労もあったのではないでしょうか?

もちろん、いきなり飛び込んで新たな診療科を立ち上げ、他の診療科と連携していくのには非常に苦労しましたし、今でも苦労することはありますね。赴任当時は正直、診療科の立ち上げがここまで大変だとは思っていませんでした。今から思うと、よく飛び込んだな、と(笑)。しかし、私は自分の裁量で自由に取り組みたい性格で、私の価値観には合っているので、変なストレスはありません。

ー他の診療科と連携していくとき、先生が意識しているのはどのようなことですか?

他の人に文句を言われないポジションをつくること。つまり、いかに早く信頼を勝ち取るかということです。そのために他科で困っていることがあれば、自分から手伝いを申し出て名前を覚えてもらい、信頼してもらうようにしてきました。

また、他科に何かを依頼する時「〇〇と△△はお願いします。それ以外は僕たちがやります」と、依頼したいことをかなり明確に伝えるようにしています。漠然とした依頼をしてしまうと、相手も断る理由を探し始めるものです。ですから「得意分野のこの部分をぜひお願いします」と、協力してもらえそうな範囲で依頼することを意識していますね。

ー病院外での連携はいかがですか?

赴任して3年間は院内での体制を整えることを優先して取り組んできたので、これから本格的に手をつけようとしている段階です。ちょうど私が赴任した時に院長も交代し、病院同士の連携が少しずつ生まれてきています。ただ、病院と他の施設とのつながりはまだ十分ではないので、その点の強化もしていきたいと思っています。

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医師プロフィール

柴崎 俊一 総合内科

2010年筑波大学を卒業。諏訪中央病院にて初期研修、内科後期研修修了。同病院で総合内科・腎透析糖尿病科に勤務。2017年4月、ひたちなか総合病院救急・総合内科に赴任。同診療科の発展に尽力している。

柴崎 俊一
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