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肩のこらない「肩こり」の話[3]

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記事

原因がはっきりしない肩こりの場合でも、症状がある限り、原因はどこかに隠れていると考えたほうが良いと思います。

肩こりの中には病気が潜んでいることもあります。

肩こりという症状を起こす病気は、整形外科以外にも精神科、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科、眼科、脳神経外科、婦人科、内科など多くの科の中で起こってきます。患者さまの中には内臓が悪くないか心配されている方もいますね。
「関連痛」という言葉があります。病気のある場所から離れたからだの一部に痛みが出る場合に使われます。心筋梗塞、胆石症などでは、肩に疼痛やこった感じが出現するのです。ただ「肩がこる」と思っていたら、それが他の病気の症状の一部ということもあり得るわけです。 

このような、何か原因になる病気があって起こる肩こりを、仮に「症候性の肩こり」といたします。原因がはっきりすれば、その対処法も決まってきます。患者様もご自分の症状の原因を把握することで、肩こりの治療に取り組みやすくなりますね。

いろいろ診察や検査をしても原因がはっきりしない肩こりもあります。これを「本態性の肩こり」と分類しておきます。

当院の肩こり外来を受診された患者様を診察してみますと、圧倒的に「本態性の肩こり」の方が多いのがわかります。それでは「本態性の肩こり」には、何も原因がないのでしょうか?

診察をしても原因につながる手がかりがないわけですが、症状がある限り、症状をひきおこす原因はどこかに隠れていると考えたほうが良いと思います。

肩のこらない「肩こり」の話[2]

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医師プロフィール

平沼 尚和 整形外科

1977年日本医科大学卒業。日本医科大麻酔科学教室入局
1983年城南総合病院麻酔科部長
1985年日本医科大学整形外科教室入局
1991年協友会屏風ヶ浦病院整形外科部長
2005年平沼整形外科クリニック開設し現在に至る

医学博士、日本整形外科学会専門医、麻酔科標榜医

平沼 尚和
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