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本当に必要な美容外科治療を安全に受けるために[1]

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美容外科は、医療の一分野です。医療である以上どんな治療であれ、リスクは伴います。しかし、商業性を優先してその点をおろそかにしている面も少なからずあるのが現実です。

なぜ多くの女性たち(最近は男性も……)が美容整形に関心を抱くのでしょう? もちろん誰もがより美しく、若々しくなりたいからですが、長く専門医として診療をしてくると、何パーセントかの方々が、多くの美容外科を渡り歩き手術を繰り返しながら、本来の美しくなるという目的からむしろ離れていっているのでは……と感じるケースに出会うことがあります。その度に、最初にどれだけのカウンセリングが行われ、本当に必要な治療が正確な技術の元に施行されたのかを考えずにはいられません。

私が美容外科のカウンセリングで最も大切に考えているものは診断学です。一般的には美容外科は患者自らが診断し、望むものをおこなえば良いものだと考える人が多いでしょう。美容治療に携わっている側もそのような認識を持っているかもしれません。しかし医療である以上どんな治療であれ、リスクは伴いますし、何より自分のことを客観的にみることは意外と難しいのです。幾ら本人が希望しても場合によっては必要ないという診断も大切です。

人間はどうしても気にしている部位を必要以上に拡大して解釈しますが、全体のバランスをもって見ることはなかなかできません。さらに、医学的な知識や根拠に関しては、イメージや簡単な広告内の説明以上にはわからないものが多いでしょう。例えば最新のレーザーという表現が書かれていても、実際レーザー自体が何であるか、そこでうたっている最新の意味や治療の原理、効果、副作用、限界までは判断しようがありません。

病気でやむなく手術や治療を受けるときに、日本で初めておこなう治療や薬であるとか、この病院だけにある機械であると聞けばむしろ不安に感じるのではないでしょうか? しかし美容医療の世界では、本邦初とか最新機器この病院だけの技術などがよく伝えられます。病気の治療でないから、大丈夫なのでしょうか? 病院だから安全性など当然であると考えるでしょうか? 残念ながら商業性を優先して、基本的なその点をおろそかにしている面も少なからずあるのが現実です。美容外科も内科、外科や小児科、産婦人科などと同じ医療の一分野であり治療対象が異なるだけで全く同じ医学なのです。

本当に必要な美容外科治療を安全に受けるために[2] 

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医師プロフィール

鄭 憲(テイ ケン) 形成外科・美容外科

韓国 延世大学医学部卒業 韓国、日本医師国家資格取得 東京大学医学部形成外科・美容外科にレジデント終了、形成外科専門医取得。
同愛記念病院形成外科医長、湯河原厚生年金病院形成外科医長を経て、2005年アジアン美容クリニック開院。 2007年より 帝京大学医学部附属病院美容センター非常勤講師兼任
日本形成外科学会 認定専門医 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日韓両国で技術を磨いた院長が、安全性と医療的根拠を基にした、欧米基準に偏らない東洋人のための美容治療の実践を目指すクリニックです。

鄭 憲(テイ ケン)
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