口から入れる内視鏡と鼻から入れる内視鏡、痛くないのはどっち?[2]
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口から入れる内視鏡と鼻から入れる内視鏡、同じ日に両方の検査を受けてもらった結果、楽だったのは……?
先生:以前、病院のスタッフにボランティアを募り、研究をしたことがあります。細い内視鏡を使って、同じ日に口と鼻の両方から検査を受けてもらうんです。もちろん、それを行う医師は僕一人です。そうすれば、どちらが楽かという比較ができますよね。
患者:確かに。その結果が同じだった、ということですか?
先生:そうなんですよ。この結果を見て下さい。
「鼻のほうが楽」という方が少しだけ多かったのですが、鼻が痛くて検査を中止した方もいました。鼻が痛くて中止した人たちを「口のほうが楽」というグループに含めると、鼻からでも口からでも、つらさは同じくらいという結果になるのです。
小顔で小作りな女性は鼻腔が狭いので、鼻痛が出やすい傾向があります。ですから、女性には細径のカメラを口から飲んでもらうことをお勧めしています。口からのカメラは「ヲェ」となるという方がいますが、咽頭麻酔をしっかりすれば「ヲェ」も出ないんですよ。
男性でしたら、口でも鼻でも、細い内視鏡を使えばつらくないです。まず鼻でやってみて、痛かったら口からの内視鏡に切り替えてもいいですよ。
患者:では鼻からやってみます。
先生:結構です。麻酔は鼻と口と両方しておきましょう。ただし、緊張するとつらくなっちゃうので、リラックスして検査を受けましょうね。
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医師プロフィール
西野 徳之 消化器内科
一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院
1987年自治医科大学卒業後、旭川医科大学第三内科を経て、利尻島国保中央病院などで地域医療に従事。2000年10月より一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院(福島県郡山市)勤務。2007年より消化器センター長。医師不足の地で診療に邁進しながら、研修医指導にも情熱を傾けている。苦痛のない内視鏡をyoutubeで紹介している。『Oriented Endoscopy- -』http://www.youtube.com/watch?v=eYg8qkB-H2I 著書に「良医となるための100の道標 ―研修医諸君! 本音で「医道」を語ろうー」日経BP社、「ココまで読める! 実践腹部単純X線診断」中外医学社などがある。