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聞き手の心をキャッチするために必要なものとは?

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記事

人に話を聞いてもらうときに、見過ごされがちながらも重要なファクターがあります。聞き手の心をキャッチする意外なコツとは?

◆聞き手のコンディションが重要

コミュニケーション能力を高めるにはどうすれば良いのでしょうか。話し手は、いかに上手に効果的なプレゼンやアウトプットをしていくかという方法論ばかりに注意を向けがちです。しかし、実際には話し手のアウトプットテクニックと同じくらいに重要なファクターがあります。それは、聞き手のコンディションです。

おなかをこわしていたり、対人ストレスを抱えていたりするとき、集中しなければならないとわかっていても聞き手は集中力を欠いてしまいます。みなさんも一度はそうした経験をしたことがあると思います。

もちろん就職試験などでは、面接官は万全の体調で試験場に現れるわけですが、そうであっても話し手の発する話しことば以外の情報に気が取られてしまうこともあります。ノイズによって冷静に聞くことができなくなる。そんな状況が生み出されてしまうことがあるのです。

 

聞き手を左右するのは、話しことばだけではない

話し手が発信する情報には、

1)話しことば、音声として発せられる聴覚言語

2)アクセント・イントネーションといった表現としてのパラ言語

3)資料やスライドとして呈示される書記言語や画像情報

などがあります。

成功するためのプレゼンを教えるセミナーではもっぱらこうしたテクニックの伝授に時間が割かれていますが、聞き手はそれ以外の情報にも左右されます。声のトーンや声質、清潔感という意味での匂いや臭い、提出された資料の質感や触感、呈示された資料やスライドの色調やイメージの洗練さ、そして話し手の身だしなみやジェスチャーなどです。聞き手は、聴覚だけでなく、視覚・嗅覚・触覚など他の五感も駆使しているのです。

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医師プロフィール

中川 雅文 耳鼻咽喉科

1986年 順天堂大学医学部卒業。医学博士
順天堂大学医学部講師、私学事業団東京臨海病院耳鼻咽喉科部長、順天堂大学医学部客員准教授、みつわ台総合病院副院長などを経て、国際医療福祉大学病院 耳鼻咽喉科 教授
著書に『「耳の不調」が脳までダメにする』(講談社)『耳トレ!-こちら難聴・耳鳴り外来です』(エクスナレッジ)ほか

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