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INTERVIEW

株式会社ヘリオス

呼吸器内科

澤田 昌典

疾患から事業化まで全てを見通す目を持つ

2011年2月、鍵本忠尚社長が株式会社日本網膜研究所として設立した株式会社ヘリオス。iPS細胞を利用した再生医療製品を世の中に送り出すことを目的として、2015年6月には東証マザーズに上場を果たした注目のバイオベンチャー企業です。この会社を支える一人が澤田昌典先生。異色の経歴を持つ澤田先生が何を考え、どのようにキャリアを積まれて現在に至るのか、また、ヘリオスの今後をどのように見据えているのかを伺いました。

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縁の下でiPS細胞製品化を支える

-現在、株式会社ヘリオスではどのような役割を担っているのですか?

ヘリオスではiPS細胞を利用して、さまざまな疾患に対して細胞治療を行うための製品を作ろうとしています。その中で私は、鍵本社長と相談しながらその事業自体の方向性を決めたり、実際に経営上問題となっていることを洗い出して、何から取り組むかを判断したりしています。鍵本さんが外部へどんどん出て行って情報を集めたり、人とのつながりを作ったりしているので、私は内部でiPS細胞の製品化を実現するためのマネージメントを担当しています。

ヘリオスは、もともと理化学研究所の高橋政代先生からiPS細胞由来網膜色素上皮細胞の事業化の話をいただいたことから始まり、その後、細胞製造自動化については大阪大学の紀ノ岡正博先生のもとで共同研究講座を開設しました。さらに2014年には横浜市立大学の谷口英樹先生、武部貴則先生の研究グループと、臓器原基という全く新しい技術につき共同研究も開始しています。技術の発明元であるアカデミアと、実用化を担う当社の橋渡しをすることが、私の役割です。

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PROFILE

澤田 昌典

株式会社ヘリオス

澤田 昌典

株式会社ヘリオス常務取締役
2006年久留米大学医学部卒業。同大学病院にて初期研修修了後、呼吸器・神経・膠原病内科に入局。2008年久留米大学大学院医学研究科にて博士課程入学、2013年修了。2010年~2012年に九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻修了。2012年4月に株式会社ヘリオス(旧・株式会社日本網膜研究所)に入社。翌年から理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクト客員研究員となる。2014年7月より大阪大学大学院細胞製造システム工学(ヘリオス)共同研究講座招聘准教授。2015年4月より現職。

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