coFFee doctors – ドクターズドクターズ

INTERVIEW

メディサイド株式会社

整形外科

菊池 亮

「新たな医療の選択肢」をつくりたい

2016年に「夜間往診サービス」の「FastDOCTOR」を設立した菊池亮先生。このサービスを通じて、どのような世界を実現したいのでしょうか――。立ち上げた思いと背景、そして今後の展望について伺いました。

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往診を夜間救急の選択肢のひとつに

―現在、取り組んでいることを教えてください。

「FastDOCTOR」という「夜間往診サービス」です。

患者さんが夜間に電話やメールでFastDOCTORを要請すると、まずコールスタッフによるトリアージを受けることになります。ここで緊急性が高いと判断されると、適切な医療機関の紹介が受けられます。そこまで緊急性が高くないが、診療の必要性が高く、かつ近隣の医療機関への通院が困難と判断された場合は、最短30分で医師による往診を受けることができます。電話は、1日に100件以上の問い合わせがありますね。そのうち往診に至る症例は、全体の2割前後です。最近はリピーターの患者さんも増えてきました。

受付時間:平日20時から翌6時、土曜日18時から翌6時、日曜日14時から翌6時)

設立当初は、私(整形外科医)と名倉(救急医)の2名で365日診療をしていました。週6日で本業もありましたので、19時に仕事を切り上げて、20時から往診を開始する、といった生活でした。最初は協力者も少なかったので、患者さんからの電話を受けるところから、往診車の運転まで全て自分たちでこなしていました。振り返ってみると非常に大変でしたね。いまは約100名前後の医師が診療に関わっており、平日は5つ、土日は10つの往診チームと、コールスタッフが常駐しています。

診療エリアは東京23区を中心に、埼玉県、千葉県の一部地域まで対応しています。

―サービスを利用された患者さんからの反響はいかがですか?

感謝されることが多いです。往診時に患者さんへ「この時間帯に近隣の救急外来を受診するとしたら、どこの病院ですか?」と尋ねてみると「車で30分ぐらい行かないと病院がない」、「調べてみたけど、どこの病院が空いているのか分からない(分かりづらい)」「小さな子どもがいるので、置いていけない」、「体調が悪くて体力的に外出ができない」など、さまざまな理由で、救急外来を受診することが困難な方が沢山いらっしゃいました。

現時点で医療機関へのアクセス手段は、自力通院か救急車の2択に限られています。最近になって遠隔診療といった新たなツールが出てきましたが、まだ一般に普及していないことや、非対面の診療には限界もあるように思います。ここに、往診という新しい選択肢が加わることによって、患者さんの受診ニーズに幅広く応えることができるようになるように思います。

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PROFILE

菊池 亮

メディサイド株式会社

菊池 亮

メディサイド株式会社  代表取締役医師
2010年に帝京大学医学部医学科を卒業。初期研修終了後に同大学整形外科学教室へ入局。2016年にメディサイド株式会社を設立し、夜間往診サービス「FastDOCTOR」の提供を開始した。

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