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INTERVIEW

順天堂大学医学部附属練馬病院

救急・集中治療科

坂本 壮

救急×教育×発信に情熱を注ぐ医師

祖父の代から続く病院を継ぐために、幅広い診療科に携われる順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科を選んだ坂本壮先生。経験を重ねるにしたがって、研修医への教育の重要性を実感。いつしか大学病院外の研修医・指導医にまで輪を広げた勉強会を開催するまでになりました。そして今年4月に創刊する医療雑誌「J-COSMO」の編集主幹も担当。坂本先生のこれからと、さまざまな活動に込めた想いを伺いました。

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「三銃士」として教育活動を推進中

-現在、どんなことに取り組んでいるのでしょうか?

順天堂大学医学部附属練馬病院の救急・集中治療科に勤務しながら、主に研修医の教育に力を入れて取り組んでいます。

医師3年目で入局すぐの頃は知らないこともたくさんあって、研修医にちょっとした疑問を質問されても、すぐに応えられないケースがありました。その時は調べて個々に教えていましたが、それが知識の定着には一番有効だということを実感するようになってからは、研修医たちに自分がまとめたWordファイルを配布して勉強会を行うようになりました。

そのうちに「もっとやってほしい」という声が増え、月2回曜日を決めて行うようになってからは、参加者5人程度だったのが10人、15人と増えていき――。研修医向けの書籍『救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)を出版してからは、SNSの普及もあって知名度が高まり、今では意気投合した同年代の医師、高橋宏瑞先生(順天堂大学 総合診療科)と鎌田一宏先生(新潟大学 大学院医歯学総合研究科)とともに、「三銃士」という教育ユニットを組んで、全国各地で「指導医・研修医教育レクチャーシリーズ」という勉強会をするまでになりました。

「指導医・研修医教育レクチャーシリーズ」では、参加者は、知識を得るだけでなく、仲間が増え、プレゼンをすることで客観的な評価も得ることができるようになっています。各地で精力的に活動している医師はいますが、彼らがモチベーションを維持しつつ活動を続けられること、そしてそのような医師同士のネットワークづくりを目指しています。

三銃士では、「PEC(ペック)=情熱(Passion)をもって、教育(Education)をし、さまざまなことに挑戦(Challenge)していこう」という信念を大切にしています。

―三銃士の高橋先生、鎌田先生とはどのような点で意気投合したのでしょうか?

全国各地に活動的な医師はいますが、継続して頑張り続けられる人はごく一握りだと思います。日常業務の忙しかったり、一人だとモチベーション維持が難しかったりするからです。

でも、例えば、一人が千葉で何かやりたいと言ったら千葉周辺で活動している仲間が手伝い、名古屋で何かやりたいと言う医師がいたら名古屋周辺の医師が手伝い、たまに我々も応援に駆けつける。そういうネットワークがあれば、活動の継続性が高まるのではないかと考えていて、そうすればより効率的に医療をより良くすることができると思うのです。

―他にも、医療雑誌の企画を持ち込みで創刊されたと伺いました。

そうです。編集主幹として携わっている「J-COSMO」という医療雑誌です。2019年4月の創刊です。この雑誌は、あえて特集を組まずに、30名の現役医師・看護師など多彩なジャンルの連載記事企画です。ちょうど週刊漫画雑誌のような感覚で読んでもらいたいと考えています。

循環器科や消化器科を標榜している開業医でも、大学病院の専門科の医師でも最低限知っておくべきことは共通しているので、全医療者に役立つCommon Sense(常識)を紹介していきます。最終的には、各診療科の常識を他科の当たり前にすることを目標に進めています。 

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PROFILE

坂本 壮

順天堂大学医学部附属練馬病院

坂本 壮

千葉県出身。2008年順天堂大学医学部卒業、同大学医学部附属練馬病院にて初期臨床研修を修了し、2010年より救急・集中治療科入局。2015年から2年間、西伊豆健育会病院内科に勤務。2017年から順天堂医学部附属病院 救急・集中治療科に勤務。2019年4月より、総合病院国保旭中央病院救急救命科に赴任予定。

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