アメリカではメディカルスクールを卒業すればMDとなるが、日本の医学部を卒業したときにもらえる学位はMDではない……!?

意外かも知れませんが、日本にはMD（Medical Doctor）という学位は存在しません。日本の医学部を出てもらえる学位は、MB（Medical Bachelor：医学士）です。

私の卒業した新潟大学でも医学部卒業生の同窓会の名前は「学士会」です。外国では名前の後に学位名を付けますが、日本人は誰もMBを使いません。何と言っても、MBじゃ格好が悪いですし、医者のことをメディカルドクターともいうのを良い事に、日本人は皆MDを“詐称”しているわけです。私であれば、Yuji Saito, MD ではなく、Yuji Saito, MBとしなくてはなりません。

ほとんどの医師は、医学研究をして日本の大学院を修了すればMDになれると思っています。しかし、その場合でも貰える学位はPhDで、MDではありません。

多くの人は、MB+ PhD =MDになるような錯覚から大学院を目指しますが、それはまったくの幻想で、いくらPhDを取っても、MBがMDに化ける事はなく、国際的にはやはり（厳密には）Yuji Saito, MB, PhDのように表記しなくてはなりません。アメリカではメディカルスクールを卒業すればその時点でMDですから、おかしな幻想に踊らされて好きでもない（？）研究をすることもなく、本来の医業に専念する事ができます。

多くの日本人医師がPhDを持っていることにアメリカ人は驚くようです。