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INTERVIEW

新潟市民病院

救急医

佐藤 信宏

救急医でも診療、研究、教育をバランスよくこなす

日本の医師28万人のうち、救急専門医は約3000人と決して多くありません。そのため将来を考える若手医師からは「数が少なくロールモデルが見つけにくい」、あるいは非常にハードワークという印象が強く「一生続けられるのだろうか?」と言われる傾向があります。新潟市民病院の救急救命センターで働く佐藤信宏先生は、だからこそ『生涯続けられる救急医』を目指しています。その土台となっている想いを伺いました。

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臨床・研究・教育をこなす

-現在の活動内容について教えていただけますか。

新潟市民病院で、ER、ICU、そして救急車に医師が乗って要請現場に向かうドクターカーを担当しています。また、新潟大学大学院医歯学総合研究科に所属し、救急に関わる統計データの研究をしています。

新潟市民病院の救急救命センターは、県内に6カ所ある救命救急センターの一つですので、重症患者さんが多数運ばれてきます。しかし東京や大阪といった都市部ほど、周囲に救急患者さんを受け入れられる病院が多くないので、三次救急の患者さんのみ受け入れるという体制では、地域の救急医療が成り立たちません。そのため軽症や中等症の患者さんも受け入れています。

また、まだ始めたばかりではありますが研究も進めています。働く中で高齢者施設からの救急搬送が増えていることが気になり、高齢者施設側が医療面においてどのようなことに困っているのかをアンケート調査しました。その結果を現在解析中ですが、高齢者施設における医療の課題も浮き彫りになったので、なんらかの形にしていきたいと思っています。

そして、EM AllianceというER型救急医学を志す医師たちで構成されている非営利団体の代表を務めています。この団体では、救急医同士のつながりの場を提供したり、それぞれの知識のブラッシュアップのため、メーリングリストを使って症例診断の問題を出したり、注目されている論文を共有しています。現在設立から6年経ち、メーリングリストは医学生からベテラン救急医まで約1900名が参加しています。

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PROFILE

佐藤 信宏

新潟市民病院

佐藤 信宏

2005年新潟大学医学部卒業。新潟市民病院救急科に勤務。
新潟県立がんセンターにて初期研修、新潟市民病院の救命救急科で後期研修を行う。福井大学医学部付属病院、東京都立小児総合医療センターにてER型救急を学ぶ。現在は新潟大学大学院医歯学総合研究科にも所属。また、2015年4月よりER型救急医学を志す、または実践する者たちで構成する非営利団体EM Allianceの代表を務めている。
http://www.emalliance.org/

 

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