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INTERVIEW

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門

内科

坪倉 正治

必要な情報が行き渡らない現状

坪倉正治先生は東日本大震災直後から福島に入り、医療活動を継続しながら相馬市や南相馬市で内部被ばく検査を行っています。現地の報道が減りつつある中、医師の目線から見た福島の今についてお話を伺いました。

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体の中の被ばく量検査

福島で医療を行うことになった経緯を教えてください。

震災があった後、被災地支援のため、2011年4月に福島県の太平洋側沿岸地域、浜通りに入りました。2011年5月から外来診療を始め、相馬市の相馬中央病院、南相馬市立総合病院で非常勤内科医を務めています。都内のクリニックにも在籍していますので、東京と福島を行ったりきたりの生活を続けている状態ですね。

南相馬市立総合病院に2011年7月に、「ホールボディカウンター」という、放射性セシウムがどの程度体内に蓄積されてしまっているかを調べる検査機器が導入されました。そこから現在まで継続して内部被ばく検査を行っています。

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内部被ばくは、一般的にいう「被ばく」とはどう違うのでしょうか?

報道番組などの影響で、「被ばく」という言葉は多くの人が知るものになっています。被ばくには「外部被ばく」と「内部被ばく」の2種類があります。外部被ばくは体の外に存在する放射性物質が放出する放射線を浴びることをいいます。多くの方の被ばくイメージはこちらが主なものではないでしょうか。もうひとつが内部被ばくで、これは体内に取り込まれた放射性物質により体の中から被ばくしていく状態のことをいいます。

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PROFILE

坪倉 正治

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門

坪倉 正治

東京大学医学部卒業。亀田総合病院で研修医を行った後、帝京大学ちば総合医療センターや都立駒込病院に血液内科医として勤務。東日本大震災直後の2011年4月に、福島県南相馬市が医師不足とのことで応援に入る。翌月より南相馬市立総合病院、2012年3月より相馬中央病院、ひらた中央病院の非常勤医を務める。また、2011年4月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門に所属している。

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