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INTERVIEW

山容会山容病院

精神科

小林 和人

自らの限界を超え、改革の手を止めない

2015年秋、昔ながらの閉鎖的な雰囲気を取り払い、新しく建て替えられた山容病院。この病院の建て替えを推し進めたのは、36歳で院長に就任した小林和人先生。「病院を変えるには、システムから直さないといけない」という思いのもと、山容病院をインフラの一つとするべく、改革を進めています。どのようなキャリアを積んで、現在、理事長兼院長兼臨床医として取り組まれているのでしょうか。

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目標は精神疾患の方の社会復帰

-小林先生が院長になられて5年、現在の山容病院の特徴を教えていただけますか?

私が院長に就任してから当院では、精神疾患を持った患者さんの社会復帰を最大の目標に据えた治療やその他のサービスを提供しています。

具体的には社会や家庭、地域へ復帰することを目的とした「精神科デイケア」や「グループホーム」、復職支援が専門のプログラム「リワークデイケア」、精神疾患により日常生活で支障や問題を抱えている方の「こころ」と「からだ」の機能回復を目指した「精神科作業療法」、アルコールの問題を抱えた方のグループ「SSA(酒田山容アルコール勉強会)」「CST(再飲酒予防トレーニング)」などです。

また、「患者さんが来たいと思う病院でなければ、医療すら提供できない」と思い、2015年9月に新しく病院を建て替えました。

-そもそも精神科医を目指したのはなぜですか?

東京大学医学部に入学後、病院実習が始まったころには精神科にかなり興味を持っていましたが、私はまだ新臨床研修制度が始まる前だったので、最初から精神科に進むと医師としてジェネラルに診ることができなくなるのではという不安が非常に強かったです。しかし、もともと高校までは、小説家や弁護士に憧れていたので、文系的要素のある精神科に興味があったので、最終的には精神科に入局を決めました。

―山容病院に行かれたのはどのようなきっかけだったのですか?

私は2度病院を退職して、自転車でシルクロード横断、オーストラリア横断を行っています。オーストラリア横断の際に、途中一度帰国したんですね。臨床から離れすぎないほうがいいと思ったのと、旅の資金を稼ぐため、3カ月限定で勤務できる病院を探していました。

期間限定ですと、なかなか受け入れてくれる病院がなかったのですが、たまたま山容病院で当直アルバイトをしている後輩の先生から紹介していただいて行くことになりました。3ヶ月だけ勤務した後、再びオーストラリア横断に戻り、帰国した際に常勤医として山容病院に就職しました。

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PROFILE

小林 和人

山容会山容病院

小林 和人

医療法人山容会理事長
東京大学医学部卒業。同大学付属病院にて研修後、福島県郡山市の針生ヶ丘病院に就職。平成20年に山容病院に就職。平成23年同病院院長に就任、平成26年より現職

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