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INTERVIEW

特定非営利活動法人GLOW 代表理事 / 佐久総合病院 国際保健医

小児科

加藤 琢真

日本の地域と開発途上国で活躍したい医師を応援!

日本では長年、医療機関数・医師数ともに多い都市部と、少ない地方との「医療格差」が問題になっています。ただ世界に目を向けてみると、アジア・アフリカなど開発途上国では、その格差が更に大きく、地方には医師が全くいない地域も多くあります。そのため、医療を受けることが出来れば助かるはずの命が失われています。
そんな世界の医療格差と日本の医療格差を共に解消すべく、活動をしている医師がいます。特定非営利活動法人GLOWの代表理事、加藤琢真先生です。日本での地域医療の発展と、開発途上国での国際保健医療協力、その二つを加藤先生に伺いました。

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GLOWとは

まずはGLOWという団体について、簡単に教えてください。

日本の地方と都市部の医療格差と、開発途上国における健康格差をなくしたいという思いから設立した団体です。日本では、都市部には病院があり医師もいるのに、地方には病院も医師も少ないという問題がありますが、実はアフリカなどの開発途上国でも同じ問題が起こっています。

私は医学部5年生の時にアフリカのウガンダに行ったのですが、その際にHIVの現状を知りました。現地では、日本以上に都市部と地方の格差が大きく、医師の居ない地域が多くあります。
HIVの薬は医師でなければ処方できなかったので、医師が居ない=薬が全く無いという事につながり、医師が居れば助かったはずの命が失われている現状があったのです。

「医師や看護師がいれば助かるはずの命を救いたい」、「開発途上国や地域の支えとなりたい」と思って医師や看護師になった人は少なくありません。彼ら彼女らの「日本の地域や開発途上国で活躍したい」という想いを後押しし、日本の、更には世界の社会問題を解決したいというのがGLOWの目的です。

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GLOWでの活動を具体的に教えてください。

開発途上国で医療の貢献をしたいと思っている医療者の多くは、一旦国内で働き始めると様々なしがらみがあって、なかなか踏み出せなくなってしまうものです。そのためGLOWは、そういう医療者を支援するプログラムを立ち上げました。
まずは国内で2年間、提携している地域病院で地域医療を学んでもらい、ある程度経験を積んだところで開発途上国に行き、その国の保健や医療に携わります。
医師は1年間、開発途上国で研修し日本に帰ってくるのですが、帰ってきた後も元の病院で働きます。研修中も給与や身分保障がされていて、更に戻る場所があるので、安心して働けるのです。

「自分もチャンスがあれば海外で働きたかった、だから想いのある若者を応援したい」という先生方や病院の協力を得て、このプログラムを完成させました。派遣先を紹介する他、かつて海外で国際保健医療協力を行っていた先生方にメンターとして協力してもらうことで、現地で働く上での注意点などの指導、海外にいるときの悩みや相談などにも乗れるようにしています。

このような試みは初めてでしたから、協力してくれる人はいても、果たして参加してくれる人はいるのか心配でしたが、現在、医師が3名参加してくれています。本格的な立ち上げは去年なので、まだ医師の卒業生は出ていませんが、同様にある看護師のプログラムでは4名卒業し、現在3名が研修を受けています。卒業生は引き続き海外で働いている人、元々の勤め先に戻った人など様々ですが、みんな看護師の仕事を続けています。

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PROFILE

加藤 琢真

特定非営利活動法人GLOW 代表理事 / 佐久総合病院 国際保健医

加藤 琢真

2007年慶應義塾大学医学部卒業後、長野県にある佐久総合病院にて初期研修を受ける。学生時代から地域医療を学ぶ傍ら、アジア・アフリカなどの開発途上国でのボランティア活動を行う。 その後も、小児科医として日本の地域と開発途上国での医療に従事しながら、数々のNPO団体を設立、代表を務める。2010年7月に仲間と共に特定非営利活動法人 GLOWを設立。2014年5月からは佐久総合病院 国際保健医療科・小児科に勤務。

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