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秋田県で、その人らしく生き亡くなることができる社会をつくる

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医師5年目の漆畑宗介先生。大学卒業時からの一貫した目標は「秋田県に戻り、その人らしく生き亡くなることができる社会をつくる」こと。実現のために、どのような道を歩んでいるのでしょうか。

【後期研修を受けるまで】

私はもともと心理カウンセラーになりたいと思っていました。それが医師への道の出発点です。そこから徐々に似たような職業の医師に興味を持ちはじめ、医師を目指すようになったのです。

またそのように自分の将来を考えるようになってから、テレビで「今後、がんで亡くなる人が増える」という内容の番組を見ました。そして「将来、自分の親戚もがんになる可能性があるのなら、自分が専門的に診られる医師になりたい」と思い、がんに携わる医師になろうと決意しました。

2008年、秋田大学医学部に入学。学生時代も一貫して、がんに関わる医師になることを目標にしていました。そのためサークル活動で、がん患者さんのお話を聞きに行く機会を多く持っていました。

【家庭医という選択】

現在、家庭医療後期研修医2年目、医師として働きはじめて丸4年が経とうとしてます。

やはり、初期研修先を決めるときには悩みましたね。がんに関わる医師になりたいと思っていたものの、私の興味の方向性は「がん治療そのもの」ではなく、看取りや緩和ケアといった、「がん患者さんの最期に関わること」にあったからです。そのため、最初にがんの専門病院でしっかり研修を受けるべきか、それとも看取りや緩和ケアにも携われる機会がある医療機関で研修を受けるか迷いました。

最終的には、王子生協病院の先生の「漆畑くんの興味の方向は地域にも向いているし、看取りや緩和ケアのマインドを学ぶことは非常に重要だと思う。だから、高度な治療ができる病院ではなく、王子生協病院のようなところのほうが合っていると思う」という言葉に納得感があり、王子生協病院で初期研修を受けることに決めました。そして初期研修を通して、がん以外の病気で亡くなる患者さんにも、その人らしい最期を過ごしてもらうことにやりがいを感じると気付き、後期研修では家庭医を専攻、引き続き王子生協病院で研鑽を積んでいます。

現在、外来から入院、在宅診療まで一貫して主治医として患者さんに関わることができているので、非常に学びも多く充実しています。

【ビジョン】

私の最終的な目標は「秋田県で、その人らしく生き亡くなることができる社会をつくる」ことです。秋田県は大学時代の6年間を過ごした地域で、出身地ではありません。しかし、私にとっては愛着のある土地なのです。6年の大学生活の中で、多くの地域住民の方々と知り合えたからです。

医師として医療をする以外に、知り合った地域の方々の中に入り込み、地域住民と同じ目線になって活動をしたいと考えています。そして最終的には、「その人らしく生き亡くなることができる社会をつくる」ことを実現していきたいです。そのためにまずは、目の前にいる患者さんに真摯に向き合い、興味のあることには積極的に挑戦しながら、成長していこうと考えています。

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医師プロフィール

漆畑 宗介 家庭医後期研修医

静岡県出身。2013年秋田大学医学部卒業後、東京ほくと医療生活協同組合王子生協病院にて初期研修修了。同院の総合診療研修プログラム2年目。

漆畑 宗介
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