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いま「水素」が注目されている理由

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ちまたでは「水素が健康に良い」ということがよく聞かれるようになりました。「水素」はなぜ身体に良いのでしょうか?

◆水素とは

水素とは水素原子(H)2つが結合して安定した水素分子(H2)のことで、元素の周期表で一番に出てくる原子です。水素は物質の中では最も小さく、軽くて拡散性があります。一般的には水素ガスの状態で存在し、常温では無味、無臭の気体です。水素は、空気に4%混ざって着火すると燃えますが、拡散性が高いため、開放した空間で4%以上の濃度になることはほとんどありません。

この水素を、様々な方法で摂取して健康や美容に役立てることができます。水素を語るにあたり、まずは活性酸素の話をします。

 

◆活性酸素とは

私たちは常に体内に酸素をとり入れて生きています。とり入れた酸素は、各細胞に振り分けられ利用されています。活性酸素は、栄養や異物の処理に酸素が使われた時などに排出され、量としては体内にとり入れた酸素の約2%ほどです。

活性酸素には、「善玉活性酸素」と「悪玉活性酸素」があります。

「善玉活性酸素」は殺菌能力を発揮して、ウイルスなどの有害な物質を退治してくれる活性酸素です。

一方、活性酸素の量は、大気汚染や紫外線、暴飲暴食、喫煙、過度な運動、心身のストレス、生活習慣の悪化などで必要以上に増えます。過剰な活性酸素は健康な細胞を傷つけ、傷ついた細胞は栄養や老廃物の処理がスムーズにできなくなり、その結果、老化や様々な病気のもとになってしまいます。これが「悪玉活性酸素」と呼ばれる活性酸素です。

 

◆水素が身体に良い理由

活性酸素は、量が少ないときは体内の酵素などによって無害化されますが、増えすぎると対応が追いつきません。水素に期待が集まっているのは、悪玉活性酸素のみを選択的に体内からとり除いてくれるからです。活性酸素と結合した水素は、無害な水に変換されて体の外に排出されます。悪玉活性酸素を直接減らしてくれる水素は、私たちの心強い味方になってくれることが期待できます。

 

◆水素の摂取法

水素の摂取法は、水素水の飲用が今は最も一般的です。

水素は非常に不安定で、空気中に拡散しやすい物質のため、水に溶けた水素は空気中に逃げやすい性質があります。ですので、水素水は作ってすぐに飲用するのがベストです。近年では家庭用の水素水生成機も販売されています。また、一般に販売している個別包装された水素水の中には、流通の過程で水素が抜けてしまい、店頭にある時には水素がほとんど入っていない製品もありますので注意しましょう。なお、水素水は厚生労働省が認可している食品添加物でもありますので、安全かつ安心であり、過剰摂取による副作用の心配もありません。

他にも、水素ガスをその場で発生させ、鼻から吸入する方法(水素ガス吸入装置が一般に販売されています)や、水素発生剤をお風呂に溶かして入浴する方法、水素発生素材をサプリメントとして服用する方法などがあります。自分のライフスタイルにあった摂取方法を選びましょう。

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医師プロフィール

首藤 紳介 小児科

小児科医として、大学病院や民間病院の救急外来などで現代医学を研鑽。
自身の様々な経験から、薬だけに頼らず、自己治癒力を高め、健康と美を保つための医療を目指すようになる。
2010年より湯島清水坂クリニックに勤務し、がんやアレルギー疾患、リウマチなどの膠原病をはじめとした、様々な慢性疾患の診療にあたる。
2013年5月より、表参道首藤クリニックの院長を務め、水素療法、点滴療法、補完代替医療などを中心として、心と体に優しい医療を展開している。

首藤 紳介
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