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女性医師が笑顔で働き続けるために[1]

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女性医師の未婚率と離職率の高さは「ワークライフバランス」の難しさを物語っています。社会や制度の変革も必須ですが、女性医師一人ひとりが今すぐに実行できることもあります。

女性医師が笑顔で働き続けるために何よりもまず大事なのは、女性医師は家庭と仕事の両立が難しいという事実を認めることです。この問題に限らず、一般的に困難を抱える者が目標を達成するためには、現状を把握した上での対策と努力が鍵となります。

~ 頭に描く~

女子医学生の進路相談を受けていると「いつまでも第一線で働きたい」との声をよく聞きます。ですが「第一線で働く」ことを具体的に説明してもらおうとすると、言葉を詰まらせる人が少なくありません。「第一線で働く」という何となく素敵なフレーズが、ふわふわ宙を漂って実態がない印象を受けます。

フルタイムで働くということなのか、誰もが知る名医になりたいのか、病院の管理職に就きたいのか、教育に従事したいのか……。

女性のロールモデルがいればベストですが、いない場合は男性でも仮想人物でも漫画のキャラクターでも構いません。途中で変更しても構いません。とにかく具体的な像を描くことが大切です。そこで初めてそれが目標となり、実現への道と対策を見つけることができます。

例えば「5年後の月曜日の朝7時、私は子供2人を保育園に送り届け、勤務先の大学病院の朝カンファレンスに出席、その後股関節置換術を執刀する」というように、数年後自分はどこで何をしているのが幸せなのか、なるべく具体的に描くことが達成への第一歩です。

女性医師が笑顔で働き続けるために[2]

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医師プロフィール

隈丸 加奈子 放射線科

2005年東京大学医学部卒、2012年医学博士取得(生体物理医学専攻)。ハーバードメディカルスクール・ブリガムアンドウィメンズ病院放射線科にて客員研究員を経たのち、現在同院同科のAssistant Professor。専門は心・血管画像、画像検査の利用分析。2児の母でもあり、2013年に建築士の友人と共にボストン近郊の日本人ワーキングママを支援する活動を開始。

隈丸 加奈子
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