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INTERVIEW

頴田病院

家庭医

吉田 伸

あと50年は家庭医の浸透に力を注いでもいいと思う

現在、家庭医育成プログラムの企画からレジデントの精神的サポートまで幅広く携わる傍ら、国際的にも活動の場を広げている吉田伸先生。家庭医育成を軸に、ミクロとマクロの視点を持っている医師11年目の目指す先のこととは――?

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レジデントが方向性を見失わないために

―現在務めているのは福岡県飯塚市にある飯塚病院。そこでの取り組みから教えていただけますか?

飯塚・頴田家庭医療プログラムの臨床教育部長を務め、プログラムの企画やレジデントの労務管理を含めたレジデントのサポートを行っています。このプログラムではこれまでに6名の専攻医を輩出していて、現在は10名程が研修中です。ちなみに私自身もこのプログラムの出身です。

私は彼らの有形無形の悩みをしっかり聴くことを重視しています。彼らは診察業務を行いながら、家庭医としての勉強をしていかなければならず、とても激務です。だから研修内容のことでも労務のことでも、立ち話程度のちょっとした相談でも丁寧に聞いていくことが大事だと思っています。なぜなら、そうやってきめ細やかにサポートしていくことで、つまずきが重なり自分の目指している方向性を見失うことがなく、早く家庭医として成長できると考えているからです。また、私自身の研修中の経験も根底にあります。

―どのような経験をされたのですか?

私はもともと救急医を志望していたのですが、初期研修中はあまりベストとは言えない精神状態で、何とか研修をこなしている状態でした。レジデントの働き方に過酷な面があることは仕方ないかと思いますが、多少立ち止まってでもいいから、辞めてしまうことだけはしてほしくないんです。自分の心が折れそうになった経験があるからこそ、その思いが強いのかもしれません。

-病院外の活動としてはどのようなことをされているのでしょうか?

1つは日本プライマリ・ケア連合学会専門部会のうち国際活動班の幹事を担当しています。また、世界家庭医療機構(WONCA)のアジア太平洋地区の若手医師運動の代表も務めています。

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PROFILE

吉田 伸

頴田病院

吉田 伸

医療法人博愛会頴田病院 飯塚・頴田家庭医療プログラム臨床教育部長
2006年名古屋市立大学医学部卒業。在学中に学生向けACLS活動に注力。卒業後は福岡県飯塚市にある飯塚病院にて研修を積み救急医を目指していたが、初期研修2年目に在宅医療に触れ、家庭医を目指すようになる。自分の卒業した飯塚・頴田家庭医療プログラムで後輩の指導にあたりながら現在に至る。

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