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「社会を良くしたい&医療を良くしたい」人が集まる交流会

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2018年10月5日、医療者とイノベーションを起こそうとしている起業家たちの交流会が開催されました。100名超の参会者が集まり、それぞれに取り組みたいことを語り、刺激の多い交流会でした。その様子をお伝えします。

2018年10月5日、医療関係者と、イノベーター育成のための国家プロジェクト「始動 Next Innovator」(経済産業省主催)に採用されたメンバーが一同に会する交流会が催されました。参加者は100名超。

発起人は、循環器内科医としての診療の傍ら、株式会社Dr.ENLIGHTを経営し、患者向けの3DCG説明動画を製作、販売している木村一貴先生。会の冒頭には、「社会を良くしていきたい始動メンバーと、医療を良くしていきたい医療者が集まり交流してもらうことで、イノベーションを起こしたい」と話していました。

交流の前には、15名の方の2分間プレゼンテーションが行われました。自分が今取り組んでいる事業についてPRや現在の課題を発表していました。ここでは、医師であり起業家である3名の医師のプレゼンテーションを紹介します。

◆林久美子先生 ドクターフェロー株式会社CEO

医師の学習と、診療行為の効率化をするサービスを提供するドクターフェロー株式会社。サービスの1つである「Dr.Fellow」というソーシャルネットワークは、医師免許が確認できた人だけが登録することができ、実名制なので、信頼度の高いプラットフォームになっている。ここでは、臨床知識の共有や、医師同士のつながりをつくることできる。

また、カンファレンスや勉強会用に作った資料を気軽に共有もできる機能もある。資料作成者は自身の成果の蓄積ができ、資料を見る側にとっては、全国から集まった資料を気軽に見ることが可能なので、効率的に学習することができる。参考になった資料は保存が可能なので、いつでも見返すこともできる。

最近では自社コンテンツの配信も始めている。医師が診療時に必要な情報を、全て集約することが目標。

◆松村雅代先生 株式会社BiPSEE CEO

医療用VRサービスを手掛ける株式会社BiPSEE。VRにより「痛み」の対象から注意を逸らすことで痛みを緩和するサービスを提供している。痛みは注意を向けないと感じないのだ。現在は、主に歯科医院や小児科領域、皮膚科領域で導入されている。サービスの提供を始めて、より一層社会的ニーズが高いことを感じ、臨床現場へのさらなる導入を目指している。

◆尾崎功治先生 株式会社メディクション代表

医療ツーリズムを提供している株式会社メディクション。世界トップクラスの医療を世界に届けることをコンセプトに、事業を展開中。日本人と中国人の医師3名で運営しており、メンバーはみな、北京大学医学部を卒業し、タブルライセンス、バイリンガルである。

医療ツーリズム自体には数多くの企業が参入しているが、患者さん側が医療ツーリズムに行くまでのフローが多く、課題であった。それを解決するために、フローを完全オンライン化している。同時にメンバーのスキルを活かして、医療機関の紹介や不足情報の聴取、カルテ翻訳を全て自分たちで行っている。メディクションが受け取る仲介料は、1泊2日の検診プランで20~30万円、治療プランで80~100万円。他社は200万~1000万円かかるので破格である。

今後は、AIを活用して医療翻訳の自動化を進めたり、海外VIPの医療情報を自社でクラウド管理をしたりしていこうとしている。

この他のプレゼンテーションでは、投薬デバイスや製薬企業と薬剤師をつなぐプラットフォーム、MRと医師のマッチング・プラットフォーム、患者見守りシステム、モバイル保健・医療サービス、AIを活用したインフルエンザ診断システムなどの紹介がありました。

その後、約1時間半にわたり、食事をしながら交流会がもたれました。参加者は起業家や医師、医師であり起業家など。100名以上集まっていたので、それぞれに多くの刺激を受けたのではないでしょうか。また半年後を目標に同様の交流会を開催し、イノベーションを起こしていきたいという意気込みが語られ、交流会は終了しました。

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医師プロフィール

木村 一貴 循環器内科

株式会社Dr.ENLIGHT代表取締役
2007年東京医科大学を卒業、同大学病院で初期研修修了、循環器内科に入局。2016年、株式会社Dr.ENLIGHTを創業。現在は東京医科大学茨城医療センターに循環器内科医として勤務する傍ら、3DCGを用いた医療動画を制作している。

木村 一貴
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