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肩のこらない「肩こり」の話[2]

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記事

肩こりには「肩がこった感覚」を自覚する、症状としての肩こりと、筋肉が緊張して、触って分かる硬さとなる肩こりの二通りが存在することになります。

厚生労働省の平成22年国民生活基礎調査の概況には有訴率が出ています。有訴率とは、病気やけがで自覚症状のある人の人口1000人当たりの割合をいいます。その中で症状別の有訴率を見ますと、男性は1位が腰痛、2位が肩こり、女性は1位が肩こり、2位が腰痛となっています。男女を問わず腰痛と肩こりは皆さんが普段から気になる症状なのだと思います。
その「肩こり」を説明、または定義してみましょう。整形外科の専門医の集まりである日本整形外科学会のなかでは、肩こりの定義を肩、頚、肩甲帯部の「固くなった感じ」「張っている感じ」「重苦しい感じ」「痛い感じ」としています。つまり病名というよりは「自覚する症状」ととらえているのです。

皆さんはマッサージや整体にかかったとき「ずいぶん肩がこっていますね」といわれた経験はないでしょうか? この場合の「コリ」はマッサージの先生が患者さんのからだに直接手を触れて感じ取れる筋肉の緊張のことだと思います。自覚する症状としての肩こりと、触って分かる肩の筋肉のコリ・硬さの二通りの肩こりが存在することになりますね。 

不思議なことに筋肉自体が硬くこっていても「肩がこった感覚」を自覚していない人も大勢います。逆にあまり筋肉が硬くこっていなくても「肩がこってつらい、頭痛や吐き気までする」と悩んでいる人もいます。

肩のこらない「肩こり」の話[3]

肩のこらない「肩こり」の話[1]

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医師プロフィール

平沼 尚和 整形外科

1977年日本医科大学卒業。日本医科大麻酔科学教室入局
1983年城南総合病院麻酔科部長
1985年日本医科大学整形外科教室入局
1991年協友会屏風ヶ浦病院整形外科部長
2005年平沼整形外科クリニック開設し現在に至る

医学博士、日本整形外科学会専門医、麻酔科標榜医

平沼 尚和
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