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妊活の前には、まず風疹の検査を

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妊活をするにあたって、気をつけるべきこととは? 不妊症外来に力を入れられている産婦人科の椎名邦彦先生に、妊活を考える方にまず知っておいてほしいことをお伺いしました。

 

妊活を意識し始めた方に知っておいてほしいことはありますか?

やはり風疹のことですね。妊娠してから来院された方で、風疹の抗体がない方が結構いらっしゃいます。妊娠中は免疫力が落ちてしまうので、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなります。妊娠初期に運悪く風疹に感染してしまうと、胎内を通して赤ちゃんにまで伝わってしまうリスクがあります。

 

妊娠後に予防接種を受けることはできないのですか?

たとえばインフルエンザの場合、妊娠中でもインフルエンザワクチンは打てるのですが、風疹の場合は生ワクチンと言って生きているワクチンを打つので、妊娠中は打てないのです。妊娠後に抗体がないと健診で分かっても、人ごみを避けるという対処しかできません。

 

そういえば近年、風疹がニュースになっていましたね。

はい。近年妊婦の方の風疹が流行っている理由の一つとして、子どもが欲しい年代の方でワクチンを接種していない年代の方がいることが挙げられます。また、子どもの時に一度風疹にかかると、抗体ができるからもう一生かからないと言われていましたが、20年くらいすると抗体が下がってきてしまうのです。近年、先天性風疹症候群と診断されている赤ちゃんが増えてきています。そうすると子どもにとっては一生の問題です。

 

赤ちゃんが欲しいと思って病院に行った場合、風疹の検査は必ず行われるのですか?

病院によるので、自ら抗体があるか確認することも必要だと思います。最初に採血をして、抗体がなくて風疹に感染するリスクがある方は、すぐにワクチンを打ってもらい、2カ月は避妊してもらいます。子どもが欲しい気持ちがあっても、2カ月ちゃんと避妊して抗体ができたら妊娠治療を考えていきましょう。それを焦って抗体検査をしないで妊娠して、後から検査してみて抗体がなかったら…、更には風疹に感染してしまったら…。子どもにとっては一生の問題なので、風疹の検査はとても大事なことですね。

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医師プロフィール

椎名 邦彦 産婦人科

聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学東横病院にて産婦人科医として勤務し、カナダでの不妊治療の研究生活を経て産婦人科医局長となる。愛育病院など産科医療に20年以上携わるほか、不妊症治療専門クリニックにて最新医療に携わる。また、米国セネジェニックス研究所、東京女子医科大学青山女性医療研究所など、国内外での美容&アンチエイジング医療の研鑽を重ね、メディアージュクリニック青山の院長として、最新医療をとりいれた婦人科と美容医療を実践。2015年3月武蔵小杉にこすぎレディースクリニックを開業。最新の産婦人科・美容医療に加えて、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、女性のあらゆる悩みに対応できる医療、対症療法だけに頼らない統合的な医療、安心して継続できる医療を目指している。

椎名 邦彦
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