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INTERVIEW

街の内科外科クリニック

家庭医/訪問診療医

塙 勝博

ラグビーも医療もチームで動く!

新宿区神楽坂に、医療や介護に対する繋がりや関心を持ってほしいと活動を始めた医師がいます。一般企業に一時期ご勤務された経験を活かしながら、現在は神楽坂D.S.マイクリニックの院長として「在宅医療」と、地域に根付いたコミュニティ作りをしている塙 勝博先生です。
「在宅医療」とはなに?なぜコミュニティ作りを行なっているの?
「ジェネラリストとして地域とチームで仕事をしたい」その揺るがない思いには、ご家族の病気、会社員として働いた経験、そして高校時代の部活が関係していました。
最近の医師は一人一人の患者に診断・指導・治療を行うだけでなく、塙先生のように地域に出て生活習慣改善や病気についての地域住民の理解を深めるための市民参加の場作りを行っていう医師もいます。
それではコーヒーを飲みながら、塙先生のお話を聞いてみましょう!

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在宅医療ってなに?

先生、早速ですが「在宅医療」とはどのようなことをされるのですか?

「在宅医療」とは、様々な病気のため、病院に通うのが難しい患者のお宅を、医師が定期的に訪問して診察を行うことです。定期的に訪問する事により、患者の病状に応じた、日常の健康管理を行ないます。例えば、風邪などをひいていなくても、体の調子が悪くなくても診療に伺います。

それに対して「往診」というのは、病気の時に急に呼ばれていく地域の先生、昔の赤ひげ先生のイメージですね。調子の悪い時に駆けつけることです。しかし、在宅医療訪問をいつも行っている方場合でも、具合の悪い時に診療に行けばそれは「往診」となります。

街カフェ使用写真

そして、病院のある神楽坂でコミュニティ作りを行なっているとお聞きしました。具体的にはどんなことをされているのでしょうか。

私の病院のある神楽坂で、医師、看護師、ケアマネージャー、そして一般の住民の方々が集まり、健康や医療に関するディスカッションを行っています。嬉しいことに、ご盛況いただいていますよ。
今後も、様々な人が医療や介護について対話できる場を企画しています。

例えば地域に住む医療介護有資格者や大学生、商店街、町内会のみなさんと「街の健康カフェ」を行ったりしています。医療介護の有資格者だけの場はよくあるのですが、それだと実際の症例の話になってしまいます。
「街の健康カフェ」では「介護を遠ざける為に地域ができることはなんだろう?、地域医療をどうしていくべきか?」などのブレストを住民の皆さんと行なう場を作っています。

今後はさらに、介護や病気等に無関心な層にアピールしたいなと思っています。神楽坂坂巡りウォーキングや、絵本作りなどの企画などを考えています。

ところで、先生がこの活動を始めた背景をお聞かせいただけますか。

僕はずっと地域に根ざした医療を行いたかったのです。医療の対象は、病棟に居る方だけではなくて、病気になる前の方も含まれると考えています。その方々の病気の予防も含めた地域全体の医療をしたいんです。

東京などの都心部は特に高齢化が加速しており、75歳以上の人数が増える割合は約4-5%以上以上と言えます。田舎だと約1-2%前後ですから、どれだけはやいスピードで高齢化しているかわかるでしょう。2025年には、団塊世代が一斉に、後期高齢者である75歳になります。

何かあってから慌てて病院を決めるのではなく、普段から地域の人と関係作りをして、医療に関する情報交換をしておく。そうすると、いつもと様子が違えば、地域の人が気付いてくれるでしょう。今、都心では隣に住んでいる方も知らないことが多いので、地元でもまずはコミュニティづくりから行おうと思い、実践しています。

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PROFILE

塙 勝博

街の内科外科クリニック

塙 勝博

昭和大学卒業後、消化器内科医として勤務。自身の介護経験から家族側にたった医療の大切さを実感し、在宅診療の現場に従事。現在、診療の傍ら、医療現場の「チームづくり」と「地域コミュニティ」の構築を行っている。

「街の健康カフェ」の様子はこちらから

https://www.youtube.com/watch?v=p31G9VXcZX0

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